Synmeの地政学がくしゅう帳

地政学でクールにザックリ日本の外交・軍事を学ぶ

アメリカの地政学04:1939-1945第二次世界大戦

ひきつづきアメリカの地政学高橋洋一氏の世界のニュースがわかる! 図解地政学入門に学ぶ。続いて第二次世界大戦。最初に、クールにザックリまとめる。

1939年[US163]第二次世界大戦勃発(〜1945年[US169])。アメリカは当初は参戦しなかったが、1941年[US165]12月7日の真珠湾攻撃を機に参戦して連合国を勝利に導いた。アメリカ自身わずかな犠牲の見返りとして、北大西洋、西ヨーロッパ、日本、朝鮮半島などで多大な戦果を得た。

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さて、学んで行く。第二次世界大戦は、1939年[US163]8月23日の独ソ不可侵条約締結の翌週9月1日にドイツ軍がポーランドに侵攻したことによって始まった。独ソ不可侵条約と同時に秘密議定書が締結されており、ドイツとソ連ポーランドの分割占領に合意していた。戦争は約6年続き、1945年[US169]9月2日の日本と連合国の間の降伏文書調印によって終結した。

アメリカは、1941年[US165]12月7日(日本時間8日)の真珠湾攻撃を機に参戦した。アジアでは、グアム島等の日本に占領された領土を奪還し、東京大空襲、沖縄の占領、広島と長崎への原爆投下等により日本を降伏させた。ヨーロッパでもノルマンディ上陸作戦を成功させ、ソ連軍、イギリス軍と共に東西からドイツに進撃する等してドイツの降伏につなげた。

アメリカは、大西洋・欧州において、①レンドリース法によりイギリスからニューファンドランドバミューダ諸島、イギリス領西インド諸島の軍事基地の提供を受け、②ドイツ降伏後の西ヨーロッパに進駐、③ドイツについては連合国4ヶ国の一角として占領統治した(アメリカの他はイギリス、フランス、ソ連の3ヶ国)。そして太平洋において、④グアム島等の領土を奪還、⑤日本をアメリカ軍のDouglas MacArthur元帥が連合国最高司令官として間接統治し、⑥沖縄県小笠原諸島をアメリカ施政権下に置き、⑦朝鮮半島の38度線以南を軍政下に置いた。

そして、これらの戦果はわずかな犠牲の見返りとして得られたものだった。ジョージ・フリードマン氏は100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)p.44-5で以下のように書いている。

イギリスは西半球に持っていたほとんどの海軍施設をアメリカに譲ったのだ。アメリカがこれらの施設を支配下に置いたことと、アメリカ海軍が大西洋の巡視で大きな役割を果たしたことを受けて、イギリスは北大西洋へのカギをアメリカに引き渡さざるを得なくなった。(中略)

(中略)アメリカが失った兵はおよそ50万人で、民間人犠牲者はほとんどいなかった。戦争終結時、アメリカの工場は戦前より大幅に生産性を高めていた。(中略)アメリカは(真珠湾を除けば)都市に爆撃も受けず、(アリューシャン列島の2つの小島を除けば)領土を占領されることもなかった。アメリカが出した犠牲者の数は、全世界の犠牲者の1%にも満たなかった。

アメリカはこのわずかな犠牲の見返りとして、第二次世界大戦後に北大西洋のみならず、世界のすべての海域の支配をもって浮上した。それだけでなく西ヨーロッパを占領し、フランス、オランダ、ベルギー、イタリア、さらにはイギリスの命運をも方向づけた。その一方で、あたかもヨーロッパ戦役へのつけ足しであるかのように、日本を征服、占領した。

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アメリカは上述の通り、真珠湾攻撃を機に第二次世界大戦に参戦した。ただし、同1941年[US165]3月11日にはレンドリース法を成立させ、イギリスはじめ連合国への武器売却・譲渡を含む軍需物資供給を始めていた。また、8月14日にはイギリスと大西洋憲章を発表しているが、同憲章は戦後の世界構想を内容としていた。

そもそも、アメリカは、1939年[US163]9月3日のイギリスの対ドイツ宣戦布告直後に「安全水域」をアメリカ沿岸部に設定しており、参戦前にドイツに対する敵対的な行動を開始していた。

 

文責:鵄士縦七

 

世界のニュースがわかる! 図解地政学入門

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100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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