ロシアの地政学31:1881イリ条約
今回はロシアの地政学としてイリ条約を学ぶ。タルバガタイ条約締結に続いて、トルキスタンにおけるロシアの領土拡大について学ぶことになる。最初に、クールにザックリまとめる。
1881年[US105]ロシアは清とイリ条約を締結し、イリ地方西部(ザイサン湖周辺)を獲得。 現在のカザフスタン及びキルギスとチャイナの国境までの領土拡大に成功した。
1862年[US086]以降、東トルキスタンにおけるイスラム教徒の清に対する反乱が続発した。
なかでもヤクブ・ベクはイギリスの支援も受け東トルキスタンの統一に成功した。1868年[US092]にはイギリスがヤクブ・ベク政権を承認し、1870年[US094]にはロシアも同政権を承認した。
一方で、この反乱に乗じてロシアは1871年[US095]にイリ地方を占領した。このロシアの侵攻に対して清軍も反攻し、1877-1878ロシア・トルコ戦争(1877年[US101]4月24日〜1878年[US102]3月3日)によって譲歩せざるを得なかったロシアはイリ条約(1881年[US105]2月24日)を締結し、イリ地方東部(現在のイリ・カザフ自治区)を清に返還した。
ヤクブ・ベク政権は1877年[US104]までに清に再征服されてしまった。
文責:鵄士縦七