Synmeの地政学がくしゅう帳

地政学でクールにザックリ日本の外交・軍事を学ぶ

ドイツの地政学17:1887-1890独露再保障条約

ドイツ帝国の地政学、ドイツ統一後は「戦わない」ための同盟外交がOtto von Bismarckによって展開される。今回はBismarckが締結し、Wilhelm IIが更新を拒絶した独露再保障条約を学ぶ。事実だけ記載する。

1887年[US111]ドイツはロシアと独露再保障条約を締結した。しかしWilhelm IIが帝位に就くと1890年[US114]にドイツが更新を拒絶した。

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1887年[US111]6月18日ドイツとロシアとの間に締結された秘密条約であり、下記のような内容を含む。

  • ドイツはロシアのブルガリアと東ルメリアにおける既得権を認める。
  • ロシアがボスポラスやダーダネルス両海峡を占領した場合には、ドイツがロシアを国際外交で支持しバルカン半島進出を認める。
  • 締約国の一方が第三国と戦争する場合、他方が好意的中立を守る。 

Synmeの学習上は、1990年にドイツがこの独露再保障条約の更新を拒絶したことがポイントであると考える。1890年[US114]3月18日にOtto von Bismarckが辞職していたからである。

3代目にしてドイツ第二帝国最後の皇帝Wilhelm II(在位:1888年[US112]6月15日〜1918年[US142]11月9日)がOtto von Bismarckを辞任させた。このWilhelm IIの敵対的な外交政策によって世界の枠組みは、Bismarckによって形成された仏vs独墺[露]伊という枠組みから、独墺[伊]vs英仏露日という枠組みに20年も経たない間に急速に変化して行き、そして第一次世界大戦へとつながるのだ。

地政学を学んでいると何度でも痛感する。平時でも、戦時でも、勝者として講和する時も、敗戦時ですら、一番大事なのは「外交」なのだ。

 

文責:鵄士縦七