ロシアの地政学34:1896.6.3露清密約、東清鉄道敷設権の獲得
日清戦争に関連してロシアの地政学を学ぶ。今回は露清密約、これはチャイナ分割(瓜分)の幕開けとなる。最初に、クールにザックリまとめる。
三国干渉によってニッポンから遼東半島を還付させた代償として、1896年[US120]6月3日ロシアは清と露清密約を締結し東清鉄道敷設権を獲得した。
露清密約は1896年[US120]6月3日にロシアと清の間で締結された秘密条約。なんと、山縣・ロバノフ協定の6日前である。山縣・ロバノフ協定については次回に学ぶ。
ニッポンがロシア極東・朝鮮・清に侵攻した場合、ロシアと清は陸海軍で相互に援助するという安全保障の名目であった。
しかし、李鴻章が50万ルーブルの賄賂を受け取って結んだこの条約により、ロシアは満州での権益拡大を清に承認させることに成功した。治外法権を認めさせ、戦時におけるチャイナの港湾使用を認めさせ、更に東清鉄道を敷設する権利も認めさせた。ロシアは鉄道建設に必要な土地の管理権を得たのみならず、密約を拡大解釈して排他的行政権も手にし、鉄道から離れた都市や鉱山も「鉄道附属地」としてその支配下に置いた。
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1895年[US119]4月23日、ロシア、ドイツおよびフランスは馬関条約で割譲された遼東半島を清に返還することをニッポンに対して要求した。これを三国干渉と言う。
文責:鵄士縦七