Synmeの地政学がくしゅう帳

地政学でクールにザックリ日本の外交・軍事を学ぶ

ニッポンの地政学47:1910.7.4第2次日露協約

ひきつづき第1期グレートゲーム(The Great Game)終結後のニッポンの地政学を学ぶ。今回は第2次日露協約。最初に、クールにザックリまとめる。

1910年[US134]7月4日ニッポンとロシアは第2次日露協約を締結。秘密協定によりアメリカの満州鉄道中立化提案を拒否し、満州におけるそれぞれの権益を確保することを確認した。

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1909年[US133]11月アメリカは満州鉄道の中立化を提案した。門戸開放政策は変わらず維持しているというアピールを列強に対して行ったわけである。

ニッポンはロシアと協調して、この提案(要求)を拒絶した。

三国協商の枠組みから、イギリスとフランス第三共和政もニッポンとロシアの権益優先という立場をとり、この提案(要求)には同意しなかった。自国権益への波及を恐れたのか、ドイツ第二帝国も同意しなかった。

Synmeの不勉強で、そういう記述の仕方をしている書籍をまだ見ていないのだけれど、Synmeが思うに、これによりアメリカがアフリカ分割にもチャイナ分割にも入り込めなかったという事実が一旦確定したという意義があったのではないだろうか?

Synmeの勝手な想像だけれど、アメリカからすると、①アフリカ分割に続けて、チャイナ分割にも入り込めなかった、②ニッポンは有色人種国家なのにチャイナ分割に成功しているとはけしからん、③アメリカがチャイナ分割に失敗したのはニッポンのせいだ、と考えた(感じた)可能性はあると思う。

③については、③’門戸開放原則を前提に日露戦争に仲介してニッポンを勝たせてやったのに、ニッポンは門戸開放原則を反故にして満州での権益を独り占めしようとしている。ニッポンは嘘つきであり、アメリカの唱えた門戸開放原則を軽視している、と言い換えることもできそうだ。

 

文責:鵄士縦七