地政学を学ぶフレームワーク06
イギリスの地政学を学ばなければいけない理由は中東問題に留まらない。
そもそもSynmeは地政学を学んでいるのは、日本のこれからの外交と軍事について、自分なりに考えられるようになりたいからだった。そして、クールにザックリ学ぶための工夫として、Synmeは「アメリカの時代」というフレームワークを仮定して戦争の歴史を学習している。
加えて、Synmeは時代ごとの超大国との関係性を意識した視点で国際関係を観察するのが合理的であるとも考えていて、1941年のレンドリース法成立以降を超大国アメリカの時代とみなし、1600年のイギリス東インド会社設立以降1941年までを超大国イギリスの時代であったとみなしている。
独立宣言から冷戦終結までクールにザックリ学んできたアメリカの比較対象として最も適切であるという理由からも、イギリスの地政学は学んでおかなければならないと。秋田茂氏のイギリス帝国の歴史 (中公新書)p.19-22を引用する。
(中略)あらためて世界史における帝国の歴史を振り返るなかで、アメリカを中心に語られる現代世界の成り立ちを考察する必要があろう。
その際に、数多くの比較検討の素材を提供してくれるのが、イギリス帝国である。イギリス帝国は、近代世界において最大の帝国であり、世界の陸地の約4分の1を領土として支配した経験を持つ。
(中略)19世紀半ば以降のイギリスは、世界のヘゲモニー国家(派遣国家)になった。そのヘゲモニー国家としての地位を20世紀後半に引き継いで現在に至ったのが、アメリカ合衆国である。
秋田氏は、同書において、長期の18世紀(1688年[bUS088]名誉革命〜1815年[US039]11月20日ナポレオン戦争終結)、19世紀、20世紀の3つの時期に分けてイギリス帝国を考察している。
イギリスの地政学をしっかり学ぶことが日本のこれからの外交と軍事を考える上でとても重要なことは理解した。では、なぜすぐにイギリスの地政学を学ばないのか?フランスとロシアの地政学を学ぶ意義を考えたい。
文責:鵄士縦七