地政学を学ぶフレームワーク17
第1期グレートゲーム(The Great Game)が終了した。
Napoleonに対して共に戦ったロシアとイギリスがアジアで対立する中、新興国ドイツ第二帝国が台頭してイギリスとフランス第三共和政の共通の敵となり、イギリス・フランス・ロシアが三国協商を組み、ドイツ第二帝国・オーストリア=ハンガリー帝国と敵対することとなった(例のごとく、イタリアはさっさと離脱)。
事実上、英仏露ではなく、英仏露+ニッポンという四国協商と言うべきであったというSynmeの感想はすでに書いた通り。
第1期グレートゲーム(The Great Game)終盤、極東でのロシアの南下を押さえるべく、イギリスは有色人種の新興国家ニッポンと「同盟」を組んだ。当時の「常識」からはこのイギリス外交はウルトラCだったのではないかとSynmeは考えるが、その甲斐あってイギリスはロシアの東アジアでの南下政策を断念させることに成功した。一方の明治ニッポンはきちんとイギリスの意図を汲み取り、かつ有効に後ろ盾として、朝鮮半島がロシアの植民地となることを防ぎ得たばかりか、南満州を得てチャイナ分割にも喰い込むことに成功した。
英露協商の締結後も明治ニッポンは日露戦争の戦果をなんとか確保するべく外交努力を続けるので、ニッポンの地政学は大正時代の終わりまで継続して学ぶ予定。言うまでもないけれど、「戦果」の中には悲願の関税自主権の回復も含まれる。
また、ロシアをドイツ第二帝国と戦わせたいフランス第三共和政の思惑もあったため、ニッポンはフランスのお膳立てで日露協商を締結することとなった。結果として、第1次世界大戦までのニッポン外交の基軸は、(第2次から軍事同盟化した)日英同盟と(後に軍事同盟化する)日露協商との2つであった。
上記の観点から、Synmeは第1期グレートゲーム(The Great Game)中のフランスの地政学を改めて学ぶ予定である。今のところニッポンの地政学と並行して学ぶ予定でいるので、年代にギャップが生じると思うけれど…
そこから先はまだちゃんと考えられていないけれど、イギリスの地政学を簡単にでも一度ザッと学んでおきたいとも考えているし、ここらで一度ここまで学習したことをおさらいしても良いのかなとも考えているし、一方でいよいよ第一次世界大戦なのでその学習をこのまま続けた方が良いのかなとも思う…
文責:鵄士縦七