Synmeの地政学がくしゅう帳

地政学でクールにザックリ日本の外交・軍事を学ぶ

アメリカの地政学41:1907.12.16-1909.2.22グレート・ホワイト・フリートによる世界一周航海

久し振りにアメリカの地政学を学ぶ。今回はグレート・ホワイト・フリート(Great White Fleet)、アメリカ海軍大西洋艦隊の世界一周航海による示威行為である。最初に、クールにざっくりまとめる。

アメリカは1907年[US131]12月16日から1909年[US133]2月22日にかけてグレート・ホワイト・フリート(Great White Fleet)で世界一周航海を行いニッポン及び欧州列強に海軍力を誇示した。

f:id:synme:20190304184052j:plain

Synmeが不勉強で知らなかったけれど、アメリカは白で統一した16隻の戦艦(battleship)からなる大艦隊(グレート・ホワイト・フリート(Great White Fleet))で、海軍力を見せつけたわけである。アメリカらしい。嫌いじゃない。

この艦隊(fleet)は2つの戦隊(squadron)で編成され、各戦隊はそれぞれ2つの分隊(division)からなった。第1戦隊第1分隊は艦隊旗艦Conneticut、Kansas、VermontおよびLouisianaの4隻(すべて1906年Conneticut級)からなり、第1戦隊第2分隊は分隊旗艦Georgia、New Jersey、Rhode IslandおよびVirginiaの4隻(すべて1904年Virginia級)からなった。そして、第2戦隊第3分隊は戦隊旗艦Minnesota(1906年Conneticut級)、Maine、MissouriおよびOhio(3隻すべて1902年Maine級)の4隻からなり、第2戦隊第4分隊は分隊旗艦Alabama、Illinois(共に1901年Illionois級)、KearsargeおよびKentucky(共に1900年Kearsarge級)の4隻からなった。

アメリカが20世紀初頭に戦艦を「建造しまくった」ことがよく分かる。最新鋭兵器を揃えた示威効果マックスの艦隊であったことは想像に難くない。

Synmeは全然知らなかったので、Wikipediaで学びました。下記の航海図もWikipediaからの引用。→ 

Great White Fleet - Wikipedia

f:id:synme:20190305121716p:plain

19世紀末、アメリカはハワイ・グアム・フィリピンと太平洋に進出を果たしたもののパナマ運河は建設中(1903年[US127]11月18日パナマ運河建設開始、1914年[US138]8月15日開通)。アメリカは、日露戦争でロシア極東艦隊、バルチック艦隊を破った明治ニッポン海軍の太平洋での相対的プレゼンスが上昇したことを懸念していたのだ。

それで導き出した答えがコレ(グレート・ホワイト・フリート(Great White Fleet))である。う〜む、アメリカらしい。

白い大艦隊は、1907年[US131]12月16日から1909年[US133]2月22日にかけて世界を一周した。

①原理原則を訴え、②圧倒的軍事力を構築し、③誇示する、というスタイルはアメリカの地政学を考える上では重要であるとSynmeは思う。門戸開放通牒の列強への送付(1899年[US123]9月6日)からの流れで、相次ぐ最新鋭艦の建造と大艦隊の世界一周を捉えるべきである。その間わずか10年、スゴイ…

synme.hatenablog.com

 

文責:鵄士縦七