現代の地政学:2019.8.23大韓民国のGSOMIA破棄
2019年[US243]8月23日大韓民国(Republic of Korea)がニッポンとの軍事情報包括保護協定(GSOMIA (General Security of Military Information Agreement)、ジーソミア)を破棄した。同協定は11月22日に発効からわずか3年で失効する。
「思い返せば、あの日が転換点だった」と将来言わずに済めば良いけれど、GSOMIAを破棄するという外交は「友好国ではない」と公言することに等しいわけで、ニッポンの対大韓民国外交は新しい局面に入ったと言うべきである。
ニッポンの外交方針として重要なことは何であろうか?シンプルに箇条書きすると、以下の3つであろうか。
- ひきつづきアメリカと緊密な(事実上の)軍事同盟関係をつづけること
- 決して大韓民国に譲歩しないこと
- チャイナ、ロシア、北朝鮮の動きにも注意し、かつ、国際世論の中で孤立しないこと。望むらくは、大韓民国の外交的非常識を継続的に国際世論に訴え続け、大韓民国の孤立化を図ること
李氏朝鮮以降を近現代のコリアと呼んでよければ、近現代コリアはずっとチャイナ、ロシア、ニッポン、そしてアメリカを撹乱する外交を続けてきた。日清戦争後しかり、日露戦争後しかり、朝鮮戦争しかり、である。現代コリアは大韓民国(Republic of Korea)と朝鮮民主主義人民共和国(Democratic People's Republic of Korea)に分かれているが、基本的に同じである。
ニッポンは、大韓民国の方がニッポンより外交上手であり、試合巧者であることを忘れない様にして、自国が孤立に追い込まれない様に対応していく必要がある。そのために、冷静、慎重かつ毅然とした外交を継続する必要がある。
仮に、このまま大韓民国との敵対関係が深まっていくのであれば、極端な話であるけれど、ロシアとの協調外交を一層真剣に検討する必要があるであろう。結局のところ、東アジアのパワーバランスは、アメリカ、チャイナ、ロシアに主導権があるからだ。アメリカ・ニッポン・大韓民国が一枚岩となって対応している限り、チャイナ・ロシア・北朝鮮と拮抗することは可能であろうが、今回の大韓民国のGSOMIA破棄はこの一線をいとも簡単に踏み越えてしまった可能性がある。
逆に、大韓民国が一転して親日外交に転じるのであっても、ニッポンは大韓民国に何ら便宜を図る必要はない。親日も反日もすべて大韓民国の都合で叫ばれているだけであるから、日本に大韓民国を助ける義理も必要性も皆無なのだ。
ただ、冷静に米日韓の軍事的協力体制を回復するだけに留めれば良い。GSOMIAを再度締結してくれたからホワイト国指定なんて、不要である。
ニッポン人は、大韓民国は条約すら遵守しないまともな外交ができない相手であると既に知った。そもそも「隣国だから仲良くしよう」という考え方自体が外交的には非常識である。「隣国だから(色々あって)仲良くできないけれども、平和を保つために上手に外交関係を築こう」と考えるべきであろう。
ともかく、相手はニッポンの何枚も外交上手であり、試合巧者である。ひきつづき油断なき外交を展開していくしか、ニッポンに選択肢はないと考えるべきである。
文責:鵄士縦七