Synmeの地政学がくしゅう帳

地政学でクールにザックリ日本の外交・軍事を学ぶ

現代の地政学:2019.11.22大韓民国のGSOMIA破棄通告の停止

ちょっと最近書けていなくて、時機を逸してしまったけれど…

2019年[US243]11月22日大韓民国(Republic of Korea)は、8月23日にニッポンに対して発した軍事情報包括保護協定(GSOMIA (General Security of Military Information Agreement)、ジーソミア)破棄通告を停止した。同協定は同日に発効からわずか3年で失効するところだった。

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とりあえず、2019年[US243]8月23日はニッポン外交史上「思い返せば、あの日が転換点だった」と将来言われることはなくなった、のかもしれない。

わずか6時間を残して、大韓民国はGSOMIA破棄通告を停止した。得意のドタバタ外交である。しかし、外交下手ニッポンの国民としては、これを馬鹿にしたり、嘲笑ったりするべきではない。

大韓民国はこの「破棄停止」を恩に着せる形で、ニッポンに各種譲歩を迫り続け、かつ、ニッポンが日韓GSOMIA維持に消極的であるとか、非協力的であるとニッポンを外交的孤立に陥らせようと画策を続けることが120%確実であると言うことだ。

ニッポンにとって最も重要なことは、決して譲歩してはいけない、と言うことだ。大韓民国がニッポンに対する不誠実で敵対的であわよくばカネを毟り取ろうとする外交を続ける限り、もう、ニッポンが大韓民国に譲歩することは金輪際必要ないのだ。

そして、ニッポンが忘れてはいけないことは、大韓民国も含むコリアの近現代外交は、このようなドタバタ外交、諸外国を混乱させる外交が、お家芸であるということである。少しでも油断すると、足元を救われるということを肝に銘じておかなければいけない。そう言う意味では、大韓民国や北朝鮮などのコリア外交は「ニッポン外交より一枚も二枚も上手である」とレスペクトを持って、細心の注意をもって相対するべきであるとも言える。

そして、1つ面白い観点が最近は出てきていることを指摘しておく。

どういう観点かと言うと、

北朝鮮による朝鮮半島統一は秒読み段階に入った。具体的には、5〜10年という近未来のスパンで、北朝鮮と大韓民国は核保有国北朝鮮主導による高麗民主連邦共和国 - Wikipediaという1国・2制度・2政府の下で連邦制による統一過程を歩み始めた。

、という観測がSynmeが知るだけでも複数の書籍に書かれる事態となっているのだ。

これが本当かどうかは、実はそれ程重要ではない。なぜならニッポンの外交力では、これに効果的な影響力を発揮できる可能性が極めて小さいからだ。せいぜい、アメリカの対応にぴったり寄り添うべく最新の注意を払うということ位だ。

重要なことは、万一これが実現した場合、文在寅 - Wikipediaはコリア民族再統一の大韓民国サイドの最大の貢献者として、高麗民主連邦共和国において最大級の賛辞と敬意を集め、特権階級に叙せられ、歴史に名を残すであろうと言うことだ。

ニッポンのマスメディアは、大韓民国大統領文在寅が支離滅裂だとか、追い込まれたとか報道することが多いけれども、そうではないかもしれないのだ。

例えば、今回のGSOMIA騒動をこの観点から眺めてみれば、8月23日の破棄通告がコリアにとっての英断・歴史的転換点であり、アメリカの外交的圧力を一旦緩和させるための政治的妥協が今回の破棄通告停止であるという景色が見えてくる。未来の英雄文在寅は、忍耐強くチャンスを待っているだけなのだ…

 

文責:鵄士縦七