イギリスの地政学16:1911.7.13第3次日英同盟
今回は第3次日英同盟の締結をイギリスの地政学として学ぶ。最初に、クールにザックリまとめる。
1911年[US135]7月13日イギリスはニッポンと日英同盟を更新・締結した(第3次日英同盟)。イギリスとしては英仏露による対ドイツ包囲網継続のために有用であったため、アメリカに一定の配慮をしつつ更新した形。
イギリスとしては、ニッポンに関税自主権の完全回復(新・日英通商航海条約(1911年[US135]4月3日署名、同年7月17日発効))というオマケを付けてあげるだけで、ひきつづきその軍事力をインドと極東で当てにできるというプロフィットを享受できる。何より、対ロシアという意味ではニッポンの海軍力は大いに抑止力として働いたと想像できる。
まあ、よりシンプルに三国協商の前提条件だから維持したと捉えるのが実情に近かったかもしれない。
Synmeが大事だと思うポイントは三国協商が成立している以上、対ロシアという明確な共通の仮想敵国がなくなっているわけで、第2次日英同盟までとは事情が違ってきているということだ。
一方で、その経済力が無視できなくなって来たアメリカとの対立を招くリスクは形式上だけでも排除したい、というイギリスの思惑も透けて見えるのが面白いとSynmeは思う。この時期のイギリスとしては、ともかく対ドイツが外交上の肝だったはずなので、アメリカとの対立は避けなければならないのだ。
文責:鵄士縦七